自転車に乗るときにはヘルメットは安全のためには欠かせず、法律で努力義務化されました。
ヘルメットを選ぼうとすると、その種類の多さに驚くでしょう。
「どのような基準で選べばいい?」「おしゃれなデザインはあるの?」といった疑問を持つのは人も多いです。
本記事では、初心者の方に向けてヘルメットの選び方やおすすめ商品を分かりやすく解説します。
お気に入りのヘルメットを被って、新しい風を感じながら街へ繰り出しましょう。
目次
自転車に乗るときに必要なヘルメット
なぜ自転車に乗るときヘルメットを着用しなければならないのか、その理由から見ていきま
しょう。
法律的な背景と、ヘルメットが持つ安全効果について、2つのポイントに分けて解説します。
ヘルメット着用は努力義務化
2023年4月1日から、改正道路交通法の施行により、すべての自転車利用者を対象にヘルメットの着用が「努力義務化」されました。
それまでは児童や幼児(13歳未満)の保護者に対してのみ着用させる努力義務がありましたが、現在は大人も含めた全員が対象となっています。
「努力義務」という言葉に聞き慣れない方もいるかもしれませんが、これは「被るように努めなければならない」という意味です。
法律で明記されたということは、社会全体で自転車の安全意識を高めようという強いメッセージが込められています。
自分の命を守るためだけでなく、周囲の手本となるためにも、自転車に乗るときはヘルメットを被る習慣を身につけましょう。
ヘルメットを被り安全性を高める
自転車事故において、ヘルメットが果たす役割は大きいです。
警察庁の公表データによると、自転車事故で亡くなった方の約6割が「頭部」に致命傷を負っています。
ヘルメットを着用していない場合の致死率は、着用している場合に比べて約2.1倍も高くなるというデータも出ています。
自転車は手軽で便利な乗り物ですが、時速15kmから20km以上のスピードを出すため、転倒したときの衝撃は想像以上です。
車道での自動車との接触事故はもちろん、段差でのつまずいたときや雨の日のスリップなど、転倒リスクも潜んでいます。
ヘルメットを被ると頭部への衝撃を和らげ、命を守る確率を上げられます。
「自分はスピードを出さないから大丈夫」と過信せず、万が一の備えとしてヘルメットを被りましょう。
失敗しない自転車ヘルメットの選び方
店頭やネット通販には数多くの商品が並んでおり、ただ見た目だけで選んでしまうと、後から後悔することになりかねません。
ここからは、初心者がヘルメット選びで絶対に失敗しないために、チェックするポイントを紹介します。
自分の頭にフィットするサイズ・形状
ヘルメットを選ぶときにポイントとなるのが、頭のサイズと形状に合っているかどうかです。
人間の頭の形は人種や個人によって違います。
欧米人の頭は前後に長い「楕円型」が多いのに対し、アジア人の頭は横幅が広い「丸型」が多い傾向にあります。
海外メーカーのヘルメットをおしゃれだからと購入したものの、横幅がキツくて被れなかったという失敗が見られます。
そのため、初心者のうちは「アジアンフィット」と記載されているモデルや、日本のメーカーの製品を選ぶと良いです。
サイズは、おでこの一番高い部分から耳のすぐ上を通り、後頭部の出っ張っている部分を結んだ周長(頭囲)をメジャーで測りましょう。
多くのヘルメットにはサイズ調整用のアジャスターが付いているため、実寸より少し余裕のあるサイズを選ぶと微調整が効いて便利です。
安全基準マークをチェック
ヘルメットの品質を保証する「安全基準マーク」がついている製品がおすすめです。
安価なヘルメットもありますが、十分な耐衝撃試験を行っていない粗悪品も存在します。
信頼できるヘルメットには、国や専門機関が定めた安全基準をクリアした証として、以下のマークが貼られています。
| 安全基準マーク | 主な対象国・地域 | 特徴 |
|---|---|---|
| SGマーク | 日本 | 一般財団法人製品安全協会が定めた厳しい基準をクリアした製品に付与されます。製品の欠陥による事故に対する損害賠償制度がついています。 |
| CEマーク (EN1078) | EU(欧州連合) | EU加盟国の安全基準を満たす製品に付けられるマークです。自転車用ヘルメットには「EN1078」という規格が適用されています。 |
| CPSCマーク | アメリカ | 米国消費者製品安全委員会が制定した、世界でも厳しいとされる安全規格をクリアした製品に付与されます。 |
| JCF公認/推奨 | 日本(自転車競技連盟) | 日本自転車競技連盟が公認・推奨するマークです。公認マーク付きはレースでも使用可能で、高い安全性が保証されています。 |
購入するときは、商品の説明欄や画像にこのマークが明記されているかを確認してください。
スタイルに合わせたデザイン
自転車に乗るシーンや、愛車のタイプに合わせてヘルメットのデザインを選ぶのもポイントです。
ヘルメットは大きく分けて「スポーツタイプ」「カジュアル(帽子型)タイプ」「シンプル(シティ)タイプ」の3種類があります。
ロードバイクやクロスバイクでスポーティに走りたいなら、流線型で近未来的な「スポーツタイプ」がおすすめです。
普段着のまま街乗りや買い物、ミニベロ(小径車)での散策を楽しむなら、帽子に見える「カジュアルタイプ」が良いでしょう。
通勤や通学、シティサイクル(ママチャリ)での移動には、派手すぎず落ち着いた色合いの「シンプルタイプ」が馴染みます。
自分のライフスタイルやファッションに合ったデザインを選ぶと、楽しく着用できます。
軽さと通気性がポイント
ヘルメットの快適性を左右するのは、「軽さ」と「通気性」です。
重すぎると被っているうちに首や肩に疲労が溜まり、疲れる原因になります。
総重量が200gから300g前後の軽量なモデルがおすすめです。
軽いヘルメットであれば、長距離の移動でも首に負担がかかりません。
また、ヘルメットの内部に熱や湿気がこもらないよう、風の通り道(ベンチレーションホール)が確保されているかもポイントです。
特に夏場はヘルメット内の温度が上がり湿度が増えるため、通気性の良い穴あきタイプのデザインが熱中症対策としても役立ちます。
一方で、カジュアルな帽子型を選ぶときも、インナー部分がメッシュ素材の蒸れにくい工夫がされているタイプが被りやすいです。
自転車用のおすすめのヘルメット
ここからは、おすすめの自転車用ヘルメットを紹介します。
自転車に乗ったときの様子を思い浮かべながら、好みのデザインを見つけてください。
帽子感覚で被れるカジュアルなヘルメット
工事現場のヘルメットのような見た目のタイプに抵抗があるという方に最適なのが、帽子感覚で被れるカジュアルなモデルです。
外側がハットやキャップのような布地で覆われており、内側に頑丈なプロテクターが付いている構造になっています。
私服での買い物やカフェ巡り、普段のお出かけのときに服装にマッチします。
バイザーが付いている製品もあり、日差しを遮って紫外線対策や日よけとしての役割も果たします。
カジュアルでありながら、安全基準マークを取得しているモデルも増えているため、おしゃれと安全を両立できます。
安全基準クリアで財布に優しいエントリーモデル
自転車の購入に合わせて、できるだけ初期費用を抑えてヘルメットを手に入れたいという方にはエントリーモデルがおすすめです。
価格帯としては5,000~8,000円前後と手頃で、安全基準をクリアしたモデルです。
エントリーモデルは、基本的な安全性能を妥協せず、無駄な装飾を省くことで高コスパを実現しています。
アジャスターによるサイズ調整機能や、通気口など、使いやすい構造です。
安くても信頼できるヘルメットが良いという方に適したモデルです。
軽量で風通し抜群のスポーツタイプ
クロスバイクやロードバイクを本格的に始めたいアクティブな方には、スポーツタイプのヘルメットが最適です。
このタイプは流体力学に基づいたデザインになっており、風の抵抗を受け流し、スピードを出しやすいのが特徴です。
無数に開いた通気口が風をヘルメット内部に取り込み、頭部の汗を効率よく蒸発させて涼しさを保ちます。
さらに、軽量に作られている製品が多く、長距離の走行でも頭や首が疲れにくい設計になっています。
スポーティなデザインでスタイリッシュな自転車に抜群にマッチし、被るだけで走るモチベーションを高めてくれるアイテムです。
自転車ヘルメットの正しい被り方
安全基準をクリアした製品でも、おでこが丸出しになっていたり、あご紐が緩んでいては安全効果が薄れます。
ヘルメット本来の安全性能を十分に発揮させるための正しい着用手順を確認しましょう。
装着位置とあご紐の調整
ヘルメットを用意しても、正しく被っていなければ万が一のときに十分な保護効果を発揮できません。
正しい被り方は、ヘルメットをおでこのラインにまっすぐ被る(水平に被る)ことです。
間違った被り方として、おでこが丸出しになるほど後ろに傾けて被ってしまう「あみだ被り」があります。
これでは転倒したときにおでこや顔を地面に強打するので危険です。
ヘルメットの前端が眉毛のすぐ上にくる深さで被るようにしましょう。
次に、耳の周りのストラップが耳を挟んで「Y字」の形になるよう左右のパーツの位置を調整します。
最後にあご紐を締めますが、あご紐をきつく締めると苦しくなるため、あごと紐の間に人差し指が1〜2本入る程度の隙間を残すのがおすすめです。
ヘルメットを被った後に頭を軽く振ってみて、グラグラとズレないかチェックしてください。
ヘルメットの買い替え時期
自転車用ヘルメットには「寿命」があるので、一生物のアイテムではありません。
多くのヘルメットメーカーでは、使用開始から「3年」を買い替えの目安と推奨しています。
ヘルメットの衝撃吸収材として使われている発泡スチロールは、紫外線や雨、自分の汗、空気中の湿気などによって徐々に劣化します。
時間の経過とともに素材がもろくなり、いざというときに十分な衝撃を吸収できなくなるのです。
また、3年が経過していなくても、一度でも強い衝撃を受けたヘルメットはすぐに買い替えてください。
事故や立ちゴケなどでヘルメットを地面に強くぶつけた場合、外側のシェルに傷がなくても、内部の衝撃吸収材が潰れています。
衝撃吸収材は一度潰れると元には戻らないため、2回目の衝撃からは頭を保護することができません。
見た目はまだ綺麗だからと使わずに、命を守るアイテムとして定期的に買い替えるようにしてください。
自転車ヘルメットに関するよくある質問
ここからは、自転車のヘルメットに関するよくある質問の回答を紹介します。
Q1. 自転車用ヘルメットを着用しないと罰則はありますか?
法律上、現在は努力義務化のため、着用していなくても警察から罰金を科されたり、罰則が適用されたりすることはありません。
万が一自転車事故に遭って被害者となったときに、ヘルメット未着用だったことが理由で、相手側からの賠償金額に影響を及ぼす事例が出てきています。
自分に非がない事故であっても、「ヘルメットを被っていれば防げた怪我」と見なされると、自己責任の一部と扱われるリスクがあります。
罰則の有無にかかわらず、自分自身や大切な家族を守るために着用することをおすすめします。
Q2. 工事用ヘルメットも自転車で使えますか?
工事用ヘルメットを自転車用として代用することはおすすめできません。
建設現場で「上空から落ちてくる工具や資材」から頭のてっぺんを守るために設計されているヘルメットです。
一方で、自転車用ヘルメットは、乗車中に転倒した際に「横方向や後ろ方向から受ける衝突」に耐えられるように設計されています。
想定している衝撃の方向や種類が違うため、工事用では自転車転倒時の側頭部や後頭部の保護ができません。
「自転車用」として安全基準マーク(SGやCEなど)がついたルメットを使用してください。
Q3. 通販で自転車用ヘルメットを買うときに失敗しないコツはなんですか?
購入前には、自分の頭囲の数値を測るようにします。
感覚だけで「普段の帽子がMサイズだから」と買うヘルメットを選ぶと、メーカーごとの規格の違いにより被れないことがあります。
後頭部に「アジャスターダイヤル」のサイズ微調整機能がついているモデルを選ぶと、多少の頭のサイズとの違いをカバーできます。
海外のブランドのヘルメットを購入する場合は、横幅が広めに設計された「アジアンフィットモデル(ASIAN FIT)」を選ぶと間違いありません。
サイズが合わなかった場合に備えて、購入前に「サイズ交換無料」や「返品可能」を行っているショップを選ぶと、後で後悔しないで済むでしょう。
まとめ:ヘルメットを被って安全に自転車に乗ろう!
2023年4月からのヘルメットの着用努力義務化をきっかけに、単なる安全防具から「自転車に乗るときのマナー・エチケット」へと変化しつつあります。
サイズ選びや安全基準マークの確認を怠らず、自分の乗る自転車にぴったりのヘルメットを見つけてください。
正しい位置で被ることで、ヘルメットの真価を発揮し危険から守ってくれます。
お気に入りのヘルメットを見つけて、素晴らしい自転車ライフをスタートさせましょう!
